2013年9月11日水曜日

東洋医学とマクロビオティック・土用

土用の丑の日に鰻を食べるという習慣から、「土用」=夏、暑い、鰻・・という公定式が一般に普及しています。

このこともあって、私は土用というのは真夏の暑い日のことだと思っていました。
今回のマクロビオティックお料理教室「土用の食事」で、インストラクターのあらお・ふみさんから「土用というのは季節の変わり目のこと・・」と聞いて、自分の無知さにがっくりしました。

調べてみると・・
『土用とは、五行に由来する季節の雑節。1年のうちの4つの期間で、立夏・立秋・立冬・立春の直前の約18日間ずつある。
五行では春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を当て、残った土気は季節の変わり目に当てられ「土用」となった。
土用の間は土の気が盛んになるとして、穴掘りなど土を犯す作業や殺生が忌まれた。 
2013年の夏の土用は7月19日から8月6日、秋の土用が10月20日から11月6日、2014年冬の土用が1月17日から2月3日、春の土用が4月17日から5月4日・・とそれぞれの季節に17~19日間ある。        Wikipedia より』


季節ごとに土用があったとは、知りませんでした。

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土用に活発になる臓器は「胃」、「脾臓(ひぞう)」、「膵臓(すいぞう)」。

胃は食べ物が口内の咀嚼で細かくされた後に食道を通って更に分解される場所。
胃が司る時間は朝の7時から9時。
朝ご飯をしっかり食べて食物を胃に入れることで、胃の働きが正常なサイクルになります。

脾臓は血液を綺麗にしたり、血液の貯蔵に関係する臓器。
この臓器は環境からの影響を受けやすく、旅行や引越しなどで環境が変わって自分の許容範囲を超えると「不眠症」などのストレス症候群を発症します。

膵臓は血糖値を支配し、また蛋白質や脂質の分解と貯蔵に関係しています。
健康体では血糖値を均衡に保つ働きが備わっていますが、白米や白砂糖などの「単糖類」を多く摂る食事をするとその均衡が崩れて糖尿病になりやすくなります。
喉が渇くとスポーツドリンクを飲む習慣がありますが、このスポーツドリンクにもかなりの単糖類が入っています。
この単糖類は消化の段階で糖分が一気に身体の中に吸収され血糖値が上がります。
これに反して玄米だと時間をかけて糖分が吸収されるのでゆっくりと血糖値が上がると言うことです。

脾臓と膵臓が司る時間は朝の9時から11時。
朝ご飯を食べる事、そして昼ご飯もちゃんと摂る事が消化吸収を促す鍵になります。

土用の味は「甘味」。
自然の甘味を野菜から摂ることが重要なポイントになります。
砂糖から摂るのではなく、かぼちゃ、玉ねぎ、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツなどの丸い野菜から甘味を取り入れることで血糖値が安定し、精神(心、気持ち)が落ち着くそうです。

この甘味を野菜でなく単糖類から摂取すると身体がフニャフニャになってしまいます。
五行の上で脾臓と対角線にある肝臓は怒りを支配していて、食・血糖値のバランスが取れていないと「怒り」が前面に出てくるのです。
最近キレる子供が多くなったのは、食・血糖値のバランスの乱れが原因だと専門家は言っています。
単糖類ではなく、自然の甘味を摂ることで脾臓が癒され、膵臓が血糖値を正常に保ち、肝臓を鎮静させ、心穏やかに過ごせるということでした。
子供の食事と健康管理を任されている私達母親にとっては重大責任なのだなあと再確認しました。

土用のエネルギーは下に向かう矢印「↓↓↓」。
気を四方八方に散らさずに下に向けてグラウンディングすること。
しっかりと地球の上に根ざすことが大切です。

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今回の土用のお料理は、野菜の甘味をふんだんに生かしたメニューでした。

*豆と甘い野菜のスープ
 このブログでも以前ご紹介した「甘い野菜のスープ」の応用編。
ひよこ豆、ファロという古代穀物、人参、玉ねぎ、かぼちゃ、キャベツなどの野菜を煮て、味噌と醤油で軽く味付けをしました。
野菜の甘味が胃に染み渡り、思わずにっこりしてしまう一品。

*レンチル豆タペネーデのフィロペストリー
 レンチル豆、胡桃、ブラックオリーブ、ガーリック、玉ねぎをバルサミコ酢、醤油、ハーブで味付けした「具」をフィロで包んでオーブンで焼いたもの。
フィロのパリパリ感が香ばしく、中身の「具」が和風とも洋風とも言える不思議な味。
パーティの一品に良さそうなお料理でした。


*キャベツとあらめのソテー
 キャベツとあらめをソテーし、タヒニと白味噌、胡麻、醤油、生姜で味付けたもの。
生姜の味が全体を引き締め、懐かしい味がする一品でした。

*モロッコ風人参サラダ
 スティック状の人参を堅めにゆでたあとオリーブオイル、レモン汁、スパイスなどで和えます。
人参の歯ごたえがしっかりと残り、人参の甘さにクミンの香りが漂うオリエンタルなサラダでした。

*季節の野菜と豆腐フェタのグリークサラダ
かぼちゃのオーブン焼き、火を軽く通した芽キャベツとカリフラワー、林檎、フェンネルをお手製ドレッシングで和え、最後に豆腐で作ったフェタを加えます。

「豆腐からチーズが出来るの?」と目を凝らしてみたのがこのボール。
前もって作ってくださっていたフェタチーズの素材が豆腐から出来ていると知り、びっくり・・
豆腐にお酢、オリーブオイルなどを加えて24時間以上漬け込んだもの。
白味噌が隠し味。


クリスピーな野菜の歯ごたえとふんわりとした豆腐フェタがアクセントになって美味しいサラダでした。

  

デザートには・・
*玄米餅ワッフル・レモンソース添え
 
オイルを引かなくてもくっつかず、数分でワッフルの形をした焼餅(⇔焼餅風のワッフル)が出来上がり。

土用は「季節の変わり目」という設定ですが、これは旧暦のことで、現在では「丁度季節のど真ん中」だと思います。
1年に4回ある土用。
その季節季節をしっかりと乗り切るために、身体と心が喜ぶ野菜からの甘味を摂ることが大切なのだと学びました。

ご馳走様でしたー。


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