2013年12月2日月曜日

陶芸クラス その2

10月に始まった陶芸クラスの3回目は、手びねり以外の方法で作品を作成した。
粘土をパイ状に延ばして好きな形に切り取ってお皿を作る。
講師の木下宗道さんは簡単そうに粘土を広げるけれど、素人の私はなかなか均一に広がらない。
粘土の扱い1つを取っても鍛錬が必要なのだと実感しながら、葉っぱの葉脈で模様を入れて数枚のお皿を作った。

次回の窯入れはネイティブアメリカン式に地面に掘った穴で作品を焼く。
この場合出来上がった作品は耐水性がないので食器には使えない。
今回作ったお皿は食器として使いたいのでこの釜には入れずにグレーズ(釉薬)を付けて別の機会に焼き、宿題で作った花器やキャンドルスタンドをこの方法で焼くことにした。
(花器は水が滲みないように花を活ける時は中に別の入れ物が必要・・)

11月に入り秋色が深まった日曜日。
クラスのメンバー全員でナパに行った。
家族も参加していい、と言うことで旦那と息子も一緒に行くことに・・

北カリフォルニア、ワインの産地ナパバレー。
数々のワイナリーが立ち並ぶ。
久しぶりにナパに来たのでワイナリーに行ってワインテイスティングをしたいと思ったが、目的地は別の場所。
「ワイン~・・」とワイナリーを横目で見ながら車は走る。
自宅を出てから2時間。
山の中にある、木下宗道さんの友人のジャックさんとテリーさんご夫婦のお宅に到着した。
ここのお庭で窯入れをする。

朝9時。
木下宗道さんと友達のベリーさんはもう到着していて準備をしていた。

 
既に素焼きを完了した作品を1つずつ海草で包む。
包んだ海草が移動しないようにテープで留めたり、紙袋で包む。
海草のミネラルがとても良い色に仕上がるのだと説明を受けた。

海草を包んだ作品は、地面を掘って作った窯に置いていく。
地面の下に掘ってあるので、手を伸ばして1つずつ並べる。


作品が全部釜に納まると、その上に更に海草を載せて全体を覆う。
この海草はベリーさんがビーチで取って来たそうで、大きなビニール袋に満杯の海草が入っていた。


この上から新聞紙や木材を載せて燃えるようにする。
かなりの木材が入った。

 
みんなで木の枝を入れている最中に木下宗道さんが
「この窯の火を守る「火の神様(Firing God)」を粘土で作って・・」と息子にリクエスト。
「いいよ~」とにっこりと答え、さっそく粘土で作る息子。
可愛い「火の神様」が出来上がった。


全員が窯の周りを囲んで見守る中、ベリーさんが火を点ける。
「火の神様」の側でたちまち火が大きくなり、窯全体が炎に包まれた。


メラメラと燃えあがる炎で、窯に近づくとかなり熱い。
全体に行き渡った火を見届けてからベリーさんが蓋をし、10時間の窯焼きが始まった。

火が燃えている間は何も出来ない。
「朝ご飯を食べよう」とみんなでピクニックエリアに移動する。

ナパバレー一帯が見渡せるプライベートガーデン。
景色が素晴らしい。


「これ、食べて・・」と出されたのは、ベリーさんお手製のブルーベリーマフィン。
フワフワな食感と程よい甘さで、とっても美味しいマフィンだった。(レシピを知りたい・・)
息子と旦那も無口になってマフィンを頬張っている。

キャンプ用の鉄板でベリーさんが1人ずつにハムエッグを作ってくれる。
それとベリーさんお手製のパンがついた朝ご飯。


旦那は既にビールを開けて朝から飲んでいる。私も一口~

美味しい空気の中で美味しい朝ご飯を戴いた。
ここに来る前は10時間をどうやって過ごすんやろ・・と思っていたけれど、ゆったりとリラックス出来て時間の感覚が全くない。
クラスのメンバーと世間話をしているとあっと言う間に時間が過ぎる。

ボーっとしているとベリーさんがまた料理を始めた。

 
「ランチタイムだよー」
・・と出来上がった料理はチキンバーべキュー、自家製のソーセージ3種焼き、サーモンのホイル焼き。
みんなで持ち寄った前菜、サラダ、おにぎりや、野菜もバーベキューで焼いて豪華なランチ。
ワインやビールを開けて、「飲み」の体制に・・
私はただひたすら座り、食べるだけ、飲むだけ。
オーナーご夫妻のお友達も合流して30人ほどの賑やかなランチパーティになった。

オーナーご夫妻と話をすると、以前はエメラルドヒルズに住んでいた事実が発覚。
ウチから数百メートルの場所だったと言うことで、「世間は狭いな~」と見えない糸の繋がりを感じた。

私はワインを数種飲み比べて、ほろ酔い気分に・・


樹に囲まれた波動が高い、居るだけで気持ちがいい場所。
陶芸クラスと言うよりも、リトリートに来た感覚で景色や人の温かさに心から癒される。
ワイナリーのテイスティングでは得ることが出来ないリラックスした空間だった。

だんだんと日が傾き、あたりが薄暗くなってきた。
10時間で窯の火が消える予定だったけれど、日が暮れてもまだ火は燃えていて作品を取り出すことが出来ない。

 

今日はこれでお開きになり、翌日に木下宗道さんとベリーさんが全員の作品を回収してくれることに・・
残念。
でも、参加した全員がお腹も心も満たされた一日に満足していた。


後日。
木下宗道さんが作品を届けてくださった。
自然の色に染められた花器やキャンドルスタンドに感激・・・



 



木下宗道さんのように洗練された美しさではないけれど、素人っぽいところが素朴でいいんやわ~・・と自己満足に浸った。
大切に使います。

またこのクラス、受けてみたいな。


関連記事:陶芸クラス その1 
http://emeraldhillsca.blogspot.com/2013/11/blog-post_19.html