10年前、サンディエゴの美術館を訪れた時に数人のチベット僧が床に跪いて何かをしているのを見かけた。
近づいてみると曼荼羅画を美術館の床に描いている作業だった。
2メートル程の正方形の中に円を描き、複雑な模様を鮮やかな色砂を落として色付けていく。
チベット僧達はただ無心になって一点に集中し、砂を曼荼羅に落としていた。
緻密で繊細な作業から作り出される曼荼羅画は色鮮やかで心を打つものだった。
それはまだ完成していなかったが、何日後かに完成した後はその曼荼羅画を一瞬で全部砂を混ぜて消してしまう。
人生の美しさと儚さを曼荼羅に託しているように感じた。
それ以来、心のどこかで気になっていた曼荼羅画。
今年元旦のブログでご紹介した秋山峰男さんの曼荼羅画カードに惹かれたのもそういう理由からだ。
最近この曼荼羅画を描くワークショップに参加した。
インストラクターは曼荼羅画アーティストの鯉沼香帆さん。
香帆さんは秋山峰男さんと出会い曼荼羅画に大きな感銘を受け、心で描き始めたと言う。
2004年から描き始めた作品は数多く、2010年には本も出版され、日本やアメリカなどで活躍されている。
クラスのイントロダクションで香帆さんの作品がPCのスクリーン上で紹介された。
1つ1つの絵がエネルギーを持っているように感じ、だんだん私の身体がほてってきた。
それは絵によって違うエネルギーで、ある絵はふんわりとハートのあたりが温かくなったり、ある絵を見ると頭がキーンとする。
特にチャクラの曼荼羅画では、第5チャクラの絵を見た時に喉が熱くなり、第6チャクラの絵を見た時に眉間が押されたように力を感じクラっときた。
「なんや、これ~~?」と曼荼羅画を見ながら驚いた。
香帆さんのワークショップは、ただ「描く」だけのクラスではなかった。
自分の内側を見つめ、ハートから滲み出てくるものを点にして表現する。
香帆さんの誘導で彼女とハートを1つにして点を打っていると「今、感情が出てきていますね。」と言われた。
その時は自分でも気がつかないうちに自分の内側に溜まったものが込み上げてきていた。
マインドが働いて頭であれこれと考えていると何も出てこない。
けれど自分の内側を見つめ、ハートに意識を持っていくと予想もしなかったことが起る。
一種の瞑想状態になり、点を打つこと以外は何も考えていない。
それでも奥に溜まっていた感情・・喜び、悲しみ、恐れ、怒り・・そういうものが噴出してきた。
自分でも驚くほど手が勝手に動き、心に浮かんだ構図の上に色を載せていった。
絵を描く意味では「アート教室」でありながら、もっと奥深い「自己セラピー」の要素を含んでいる。
チベット層達もこうやって無心になることで悟りを開いているのかなあ~とふと思った。
4時間あまりのワークショップ、仕上がった絵の出来具合は置いといて・・・意外なほど充実感とスッキリ感があった。
もっと自分で描いてみたいと思った。
関西の皆様に朗報。
香帆さんのワークショップが3月9日、10日、17日、18日、23-24日に和歌山県ゆの里温泉で開催されます。
詳細は
http://www.mandalasoftheheart.com/SacredMandalas/JPEvents.html
香帆さんの作品:宇宙愛
(私の処女作はまだお見せできる代物ではございません~)