2013年4月12日金曜日

東洋医学とマクロビオティック・冬

日本に居た頃に東洋医学に興味があり、友達の鍼灸医に借りた「黄帝内経」という中国古来の医学書を読み漁ったことがあります。
人間の身体の陰陽、実証虚証などを初め、人間と自然界の関係が説明されていました。
その中でも私が興味を持ったのは「身体と環境はとても深い関係がある」と言うことで、本の中ではこの思想を「陰陽五行」と呼んでいました。

自然界に存在する5元素=木、火、土、金、水は法則があって繋がっています。
この5元素を東洋医学では五行と言います。
木が火を燃えさせ、火は灰になって土になり、土が金を生み出し、金が水を生じ(冷たい金属の表面に霜が降りる)、水が木を育てる。
(このしくみを「五行相生」木→火→土→金→水→木と言います。)

五行を季節に例えると、木が春、火が夏、土が真夏(土用)、金が秋、水が冬となります。
また人間の臓器(その季節に活発になる箇所)、味、感情、色などあらゆるものに五行があてはまるのです。

例えば「木」に関しては・・
季節:春
味:酸味(酸っぱさ)
感情:怒り
活発になる臓器:肝臓、胆嚢、目など
色:青

春に活発になる臓器を労わる酸味のある食べ物を摂ることで、怒りを開放し穏やかに春を過ごす事が出来ます。
こうすることで次の季節に備える準備をしているのです。
その季節季節に必要な食べ物を口にすることで1年間を通して健康でいられるのです。

また宇宙の万物はそれ自体が陰と陽を含んでいて、その陰陽のバランスをとる事で健康が保たれています。
人間や臓器も例外ではなく、活発に働きすぎると「陽」になり、エネルギーが足りないと「陰」になりますが、大切なのはその中間=中庸。
いくら身体にいいからと言ってそればかり摂るのはバランスが崩れます。
バランスをとって「中庸」に保つ事が「陰陽五行」での重要なこと。

「黄帝内経」の思想を思い出させてくれたのが今年から通い始めたマクロビオティックお料理教室でした。

1月に第1回目のイントロダクションがあり、2月「冬」のクラスは五行の中でまず「水」について学びました。

「水」=「冬」に活発になる臓器は腎臓、膀胱、生殖器官、骨。
この腎臓に滋養をもたらす食材は黒いもの・・黒豆、小豆、黒ゴマ。蕎麦。根菜。干したもの。
この腎臓の働きをサポートするのは「塩」。

また冷え対策としては・・
白砂糖、コーヒー、アルコール、冷たい物は身体を冷やします。
根菜、雑穀、タンポポコーヒー、梅しょう番茶は身体を温めます。

冬に腎臓にしっかりと栄養を行き渡らせておかないと、春になってからエネルギーが乏しくなり身体がちゃんと機能しなくなるのです。

黄帝内経の「五行相生」(木→火→土→金→水→木)という関係が食養にも当てはまります。

教えていただいたこの季節のお料理は・・
牛蒡、蓮根、カブ、人参などの根菜をふんだんに使い、小豆、黒胡麻などの黒い食材を取り込む冬仕様のお献立。
陰陽のバランスを取る為に、カリフラワーやキャベツなどの丸い野菜も使った。
きんぴら2種は牛蒡の火の通し方を変えて、2種類の違った料理法で冬と次の季節・春に備えます。
クローブやカルダモンなどのスパイスを使いオリエンタルな味に仕上げた「あずき・かぼちゃスープ」は、かぼちゃが苦手な旦那も食べてくれそうな味付けに仕上がり感激しました。

どのレシピも野菜の甘みと旨みが活かされていて、いろんな種類の野菜を味わいました。

ご馳走さまでした。




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