2013年2月23日土曜日

合気道

始業の鐘が「カーン!」と鳴る。
それまではボールで遊びワイワイと騒いでいた子供達が一列に並び正座をする。

先生を前にして道場の中で黙祷。

騒がしかった場が静かになり、シーンとした時に何かと繋がった雰囲気になる。
祭壇に向かって手を叩き、深々と頭を下げる。
「ヨロシクオネガイシマース。」と声を掛け合いクラスが開始される。





息子が通っている合気道の道場だ。

ずっと前から、息子に日本の精神を学ぶ何か「道」を習わせたいなあと思っていた。

「道(どう)」とは・・?
高い精神性をもって、人としての道(みち)を追究する意味を持つ。
日本における価値観。
哲学とも言われ、一つの物事を通じて生き様や真理の追究を体現することや自己の精神の修練を行う事。
  • 武道 - 剣道・柔道・弓道・空手道・合気道・相撲道など
  • 芸道 - 茶道・華道・書道・日本舞踊など
これらは手段は違うが、人間性を高める目的は同じである。
                                             -Wekipedia より-
 
       
アメリカで日本の礼儀作法や精神を学ぶ場所があまりなく、半分は日本の血を受け継ぐ息子に紹介する機会がなかった。
武道場に通って礼儀を学びながらセルフディフェンスを習得させたいなあ・・と以前から考えていた。

Redwood City にある合気道の道場を見つけ、2年前に体験したものの、その時はまだ準備が出来ていなかった息子。
「戦いは嫌だ~」の一点張りでいくら説明をしても聞かず、諦めた私。

去年の暮れにもう一度訪れてみると、友達がいる事で息子が興味を示した。
それで今年から通い始めた合気道のクラス。
最初は渋々通い始めた息子だったが、白い道着が気に入り、レッスンの内容も楽しいので今では週に2回のクラスを心待ちにしているようだ。

指導は日系アメリカ人で合気道6段のシンディ先生と、白人で合気道4段のアレックス先生。
先生の口から日本語がよく発せられる。
 
「イチ、ニー、サン、シー」という掛け声。
「ハラ」「センパイ」「ムネ」など数々の日本語が道場に飛び交う。

道場に入る前に上座の祭壇に向かって一礼してから入る。





普段はおじぎをする習慣を持たない子供達が、この道場では誰もが日本人らしく礼儀正しい。
(家でもこんなに礼儀正しかったらいいのに~・・と思ってしまう。)

息子が気に入っているのは基本のポーズや技を、ボールや大きな輪を使って遊びの心を取り入れながら学べる・・ということだ。
ボールを抱えて転がりながら腹筋を使って起き上がる受身を学ぶ。
大きなバランスボールを叩いて相手に渡しながら「衝き」のポーズを習得する。
フラフープのような輪を2人で対面して持ち、「取り」と「受け」の呼吸を学ぶ。

先生方は、子供達が楽しみながら合気道の技を身に付けることに神経を使っているように感じた。






クラスを受けているのは日本の血を受け継ぐ子供もいるが、国、性別に関係なくあらゆるバックグラウンドを持った子供達が日本の精神を学ぶために通っている。
それもみんな楽しみながらクラスを受けているようだ。

クラスの最後にもう1度一列に並んで正座をし、黙祷。
姿勢の悪い子はシンディ先生に背筋を伸ばすように注意されている。

祭壇に向かって手を叩き、深々とお礼。
「ドウモ、アリガトウゴザイマシター。」

感謝の気持ちを言葉にして、クラスが終わる。
一瞬、ここは日本?・・と錯覚してしまいそうだ。

白帯の息子は「早く黄色い帯になりたい。」と、色の違う帯に憧れを抱いているようだった。
「すっごく楽しい。毎日通いたい。」と言っている息子。

ちょっとは日本の心を学んでくれてるのかなあ、、と前向きな息子に嬉しい私。
(2年待った甲斐があったもんやわ~)


Aikido West
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