「その日」がいつ来るのかは誰にもわからない。
突然、やってくる。
親が居て当たり前・・という空間から突然弾き出される。
生れ落ちてからその時までしっかりと結びついていた糸が、バッサリと切られて宙ぶらりんになる。
祖母や祖父が亡くなった時にも悲しかったが、父や母が親を失った悲しみを理解することは出来なかった。
祖母の葬儀では母と一緒に泣いていたけれど、母と私とでは悲しみの深さが違うことを知らなかった。
友達の親御さんが亡くなった時にも落ち込んだが、彼女の真の喪失感をわかってあげることは出来なかった。
親を亡くす・・という出来事は、当人になって初めて、言葉では言い表せない悲しみが付きまとうのだと知った。
誰もがいつかは通る道なのに、誰も教えてくれない。
自分が経験してみないと、上辺だけのことしかわからない。
親孝行は、親が存在しているからこそ出来るものなのだと、親を失ってから気づく。
親の存在に感謝しないといけないのに、居なくなってから初めてその想いが溢れてくる。
居てくれて、ありがとう・・・
見守っていてくれて、ありがとう・・・
失ったのは、途方もなく、果てしなく、私にとってはかけがえのない、偉大な存在だった。
0 件のコメント:
コメントを投稿